ビデオの裏側・よもやま話 ... ブログ風にて

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演奏映像を YouTube に投稿 - 私のメインの音楽活動になりつつありますが、その目的のひとつに「ラグタイムギター」 (ここでは「クラシック・ラグタイム」というピアノ曲の編曲) の世界を知ってもらうことがあります。
ということで “とっかかり” となる興味の入口を広げたく、ビデオ収録にまつわるエピソードを盛り込んだ「ブログ風記事」を掲載することにしました。
“かぶる”興味があると良いのですが...?

【註】 記事が増えましたので、過去の記事を倉庫にしましました。 過去記事へは こちらから入室ください

本当に 魅力的(マグネティック) - "Magnetic rag"

はじめに - ジョプリン没後 100年 を控えて

pic.image of sheet music

2017年は スコット・ジョプリンの没後 100年になります... この事実に気づいて、遅ればせながら「もっと彼の曲をやらないと!」と決意を新たにしました! - というのも、編曲の数に比べれば(実は)少ししか演奏(投稿)できて無いのです...

実際のところ、この素晴らしいラグを編曲したのも(なんと)2001年 - 15年前! 放っておかれた理由はいくつか演奏に難しい部分があったからで(正直)諦めてたとこもありました。 そんな中に先日 ある YouTube ビデオ で、この曲を「ハープで弾いている人」を発見... それは素晴らしい演奏で、彼が内に秘めた決意と思いがビシビシと伝わってくると同時に、私の「演奏魂」にも火がついた、というのが取り組みの経緯になりましょうか。

アレンジ

再びトライするにあたっては、再編曲と録音のガイドラインを設けました。

  1. 簡単にする - 演奏性(現実)を優先、音楽性(理想)は後回し
  2. それなりに速く弾く - ギターで可能な範囲ですが
  3. いつもの自分のスタイルは継続...

ということで、以下に例を示します - 実際にうまく出来たか? は別物ですが... (笑)

example of guitar play

[fig. 1]
演奏性を優先...

ベース音: 最初は押弦だったのを開放弦に変更

通常だと四分音符にするのが「常識」かもしれませんが、結果的には「演奏できなければ音楽は現れない」訳で... ここを変えてなければ、私の実力では録音時のスピードでは演奏できなかったと思います(ということで、演奏を諦めてた「鬼門」の一つでした)。

example of guitar play

[fig. 2]
ハーモニクスと開放弦を「ペダル効果」として利用...

どちらも音色には特徴があるのですが、ここでは毛色よりも演奏性を優先しました。

ピアノには「ペダル」があるので、発音した(鍵盤を離した)後も音を響かせることができますが、ギターだと無理!... でも無い(笑)。ここでは「音色の個性」よりもこの目的のために使用していますが、これにより(ギターの宿命でもある)ポジション・チェンジに伴うブツギレ感を(少し)解消することができましょうか...

アナリーゼ(分析)

example of guitar play

[fig. 3]
初期の作品よりも和音(構成)はシンプルに思えます...

タブ譜を見ると "見慣れた" 運指フォームが多いと思いませんか? これも、これまでの他の編曲演奏よりもスピードアップして弾けた理由の一つです。

練習中に(気になったことを)日本ラグタイムクラブの知り合いにも尋ねてみました - 「初期の楽曲よりも(ピアノ的には)弾き易かったりするのでしょうか?」 基本的には(やはり)その様な感じらしいのですが、全曲を通して弾く、或いは記譜上の細かい配慮に注意すると(やはり)「表現が難しい曲」という印象...

今でもしばし考えるのですが、このラグは彼が生涯かけて歩み続けた「作曲人生」における (ある種の) "マイルストーン" として成立しているのではないかと - 音楽の詳細はシンプルで親しみやすく図りながらも、全体を通じた音楽の世界は「複雑でダイナミックな動き」により構成される - あたかも彼が生きた人生と社会を反映する様に...

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別タイプのラグ あるいは ラグ風の曲 - "Turkey in the Straw"

はじめに - なんで、コレ?

pic.image of Tab sheet

予め、お断りすると この編曲に当たっては、その前に先立って録音したジョン・レンボーンの曲 "Peacock Rag" がモチーフになっています。YouTube に投稿した後で考えたのが「ジョンが自らフィドル曲を取り上げたってことは、自分でも同じようにできるんじゃない?」ということでしたので...

で、思い浮かんだのが、この日本で最も有名と思われる同種の曲 - すなわち "オクラホマ・ミキサー"という名前で集団ダンスのBGMにもなっている アメリカ伝統音楽の名曲 "藁の中の七面鳥"でした。ということで、一週間ほどかけて編曲と練習を終えて片付けた次第です...

アレンジ

pic.image of pdf

それで... 今回の目玉情報 ですが、PDFのタブ譜を配布します。右の PDF アイコンをクリックしてダウンロードしてください。 / *個人的な演奏と嗜好のためのみにご利用ください。

ということで、この解説では アイディアや発想、キメ技 等を簡単に紹介するだけにします(笑)

  • イントロ : フィドル・バイオリンのよくある技の真似
  • 装飾音符 : 上記に同じ
  • 小節番号 #19 : 変わった和音と字余りの変拍子は、個人的な嗜好です (たぶん)
  • 独演パフォーマンス : 色んなキメ技は 偉大な John Renbourn から... ;-)
  • 小節番号 #55 : ブギ調の演奏は、私の得意技から
  • コーダ : メランコリックな雰囲気は、私がラグタイムの真骨頂と考えるトコロです

録音

Full HD フォーマットに初挑戦... いくつか新たな機材を揃えたので; Windows 7 のPC(4GB メモリ)、ビデオ編集ソフトの正規ライセンス版、(高くない) デジカメ - iPhone カメラでは無いです - でも、iPhone も未だに 2カメ用 とかに使っています~

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ラグタイムにまつわる記憶をたどりながら - "Through The Bottomlands"

はじめに - 過去の想いをいくつか

pic.image of DTR's sheet music

David Thomas Roberts さん(以下、DTRさん)の曲は過去に "Roberto Clemente" を採り上げた訳ですが、その時に「次は無いな...」と正直思いました - というのは、彼の本質的な美的要素を私のアレンジ流儀 - ギターでピアノのように - で弾ききるのは相当に難しい、と感じたからです。

その一方で、彼の曲、特にこの "Through The Bottomlands" を聴くと、ある種の特別な想い/思い出が浮かんでくるのでした; 一つは、私の生まれ故郷に在住していたラグタイム狂でDTRさんの古くからのファンでもあった(今は亡き)Nさん、そしてもう一つは「一生にいつか、この曲を弾けるようになりたい!」と思いながらも(これは、絶対に無理!と思って)あきらめた自身の“いきさつ”... しかしながら、幸運なことに「いつか」が今年になって、この記念碑的なチャレンジが達成できた訳ですが、それには偶然的なアイディアの連鎖があったりしました... ;-)

アレンジ

正直思った続きで言うと「最後まで行くかなぁ」というのが取り掛かり始めの感触でした... が、いくつか “秘策” を持って臨んだのも事実です; なんと言っても「絶対に無理!」だと思ってた曲ですから(笑)

  1. エレキギターを使う
  2. 可能な限りハーモニクスを使う
  3. 音楽的な変奏として、オクターブダウンを使う

ということで、事例を示しながら秘策の達成具合(または不具合)を簡単に解説してみます。

example of guitar play

[fig. 1]
ハーモニクス「てんこ盛り」の巻き...

印象的な幕開けを飾る "ハーモニクスの行列" - ですが、普通は(可能なら)フレーズのトップ音に用いられることが多いです。

103 個のハーモニクス が(現時点で)タブ譜に記載されています - ビデオでは意図的にあるいは失敗して弾けてないのもありますが。音域的にもダイナミズムに溢れたこの曲を弾ききるために最初に思いついた閃きは... 「そうだ!エレキで弾こう」でした - ネックとボディのジョイント(接合)がカッタウェイになっていれば、前半セクションの(超)高音域も実音で弾けるぞ... ということで、掲載の箇所は最初は全て実音で弾いていました(事実)。しかし最終的に この秘策1号はお蔵入り; 手持ちのギターとアンプで録音を考えたトライをしたところ、自分のギターが全てソリッドモデル - レスポール、ストラト、SG だったこともあってか、アンプシュミレーション(という違う秘策)を駆使しても結局「納得するイメージどおりのサウンド」が作れずにストレスが溜まり... 「やっぱ、アコギか~」ということになってしまいました。(この時点で実は、止めようかとも考えましたが) しかし、この挫折(?)が次のアイディアを生み出す原動力になりました - 秘策2号。典型的な形が上の事例ですが、このフレーズが “イケる” と感じた時点で「本格的に、最後までチャレンジしよう」という決心をして - まぁ、大げさに言えば「ドリカム」ってことになった次第です... ;-)

example of guitar play

[fig. 2]
最もチャレンジングな箇所 ...

3フレットのハーモニクスは "Roberto Clemente" で実演済みなのですが、今回は複雑なフレージングに組み込まれています。

ビデオ実演では、しかしながら、実音(17フレット)に置き換えるスタイルを優先しています... これはピッキングする手の爪が余り良いコンディションでは無かったためです(練習しすぎで減っていた)。

通常だと高音域での弾き易さを考えてハーモニクスを採用するケースが多いのですが - 音楽表現的にも、曲の高みの部分と重なることが多いです - この事例では、シンコペーションのトップノートに対する「音質変化の(軽い)衝撃」を与えたく、あえてポジションチェンジをしてでもハーモニクス、と決めましたが... キャプションに書いたようにうまく弾けてはいません...

前半の楽節が「複雑な音構成による知的な美」に溢れるセクションだとすれば、中間の “トリオ” は「流れるようなハーモニーの変化が生み出す自然の美」とも言えましょうか... 私的には “おだやかに流れる川の水面” のようなイメージなのですが、その部分のアレンジを以下に示します。

example of guitar play

[fig. 3]
ギター編曲によくある光景

前半部分は「開放弦」のクリアなサウンドを活かしたフォームになっています。

後半は別事例で - いわゆる「同音異弦」の選択について

「どのポジションで、どういうフォームで弾かれるべきか?」と繰り返し自問・熟考し改良した箇所ですが、最終的にはアレンジで聴かれる(見られる)形に落ち着きました(今のところ)。そのように突き詰めた理由は、このセクションでは「シンプルかつ簡単に弾くことで落ち着いた感じを出す」ことを「難しい弾き方ながら再現性が保たれている」ことよりも優先したからですが... 結果的にはうまくいったようで、自分自身が実演する際でも一種の「安息の地」のように感じていました - 前半の困難を乗り越えた後に平穏な場所でホッと一息、という感じで(笑)。

example of guitar play

[fig. 4]
それでも別の「秘策」が必要で...

ギター用に1オクターブ下げてますが、ピアノ版では逆に「上げる」変奏が採用されています。

しかしながら、この位の音域の方がギターと言う楽器には自然なのかもしれませんね - 実際に、記譜C音よりも実音はオクターブ低い楽器ですし... いかがでしょうか、ダウン版?

図の説明にも書いていますが、これが 3番目の秘策 ... (笑) 個人的には「音楽にもユーモアを」用いたいと常々思っていまして - ビートルズみたいに - ここでは、原曲を知っている人が(注意深く)聴いたときに「えっ、クスッ(笑)」というのを期待しているのですが、まぁ、あまり無いでしょうか現実的には... 日本で数名くらい?(苦い笑) 一方で、最後の事例では、意識的にオクターブ下げるアレンジを施してみました(原曲は通常通りの音域) - これも実際は、この方が「ギターにとっては自然な演奏かな」とも思えるからで... 残念ながら!?

example of guitar play

[fig. 5]
将来の新たな展望... かも

ひょとすると、これを展開して「初心者向けの簡単な版」を作れるかもしれません... その代わり、難しいフレーズはほとんど全てカットすることになりましょうが...

収録にあたって

HDカメラで撮った最初の作品になりました! と言っても ビデオカメラ では無く iPod touch ですが... 何にしても楽しんで観賞頂ければ幸いです - 演奏者が少しだけど確実に太ってきたのを除いて... ;-(

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初めての作曲作品 - "Ragged Spring Time (coming)"

はじめに - なぜチャレンジしたのか...

pic.image of composition

先に浜田隆史さんと共演した "ラグタイム講演ライブ" は、音楽人生における目標の一つだった訳ですが... その終演後に思い浮かんだのは 「次は、何をすべきか?」 でありました。と言いながらも、実は大きなミッションが以前から意識されていまして、それが ラグタイム作品を作曲する というテーマです。

本当のところ、これは「10年来」のメインテーマでありまして - もちろん、前述の浜田さんの影響も大きい訳ですが - しかしながら、偉大なラグタイマー - 例えば、20世紀初頭の Scott Joplin や Joseph Lamb から、現代の Bob Milne や David Thomas Roberts 等(敬称略)の優れた作品を編曲してきた立場からすると、とても 「同じような作品を(ギターで)書けると思えない」 というのが正直な感想でして、本腰を入れてやることは(あえて?)避けてきた面がありました。しかし転機となったのが、先回のビデオ作品で取り組んだ「自分流のアレンジ」で、この経験が モチーフをラグタイムの形式で発展させ、時に自分のテイストや先達のフレーズを加工して盛り込む という <書法・作法> に入り込むきっかけとなった気がします - あるいは「制約をとっぱらった」のかもしれませんね... 今にして思えば(笑)。

付け加えるなら、先のライブ後に浜田さんに「やってみますよ」と(密かに)約束したのも、この 春 spring time に取り組みを仕上げたいという理由になったように思います。

あれこれ とやってみる - ミッションの達成まで...

この作品は「天才によるマジック」ではありませんで、どちらかというと「地味に37年間もギターに関わってきた結果としての成果」であるとお考え頂きたいです(笑)。そこで(ついでながら) ネタばれ 的にインスピレーション(発想)の源を明かそうと思いますが、それらの着想を一つにまとめあげてギター的な体裁をなすというパースピレーション(苦労?)の部分にも、想いを馳せていただければ幸いです。なお、作曲の過程では、長年愛用しているタブ譜ソフト TablEdit が(予想通り)大変に役立ちまして、たぶんコレ無しでは今回のような形で「作品」として仕上げることは無理だったとも思います - 自動作曲とかではなく「レビューの有効性と妥当性確認」という観点からですが。

組曲 という形式にしたことには確固たる理由は無いのですが; 単に「続けて弾く」のが面白いからとも言えますし、あるいは「夜想曲 Serenade」が短すぎて単品の曲として発表しづらいから、というのが本当のところかもしれません。その代わり(でもありませんが) 1曲目の「ファンタジア Fantasia」では、譜面に書いた通常のラグタイム作品で見られる「楽節のリピート」を省略して録音に望みました - それでも最終的には10分ほどあるビデオになってしまいましたから、ご覧頂く皆様には「辛抱」を強いる作品かと... 改めまして 長時間のご清聴に感謝します!

"ファンタジア Fantasia"

  • タイトルは、古典クラシックの作品によくあるもので - 例えば ダウランド John Dowland とか。
  • 全体の雰囲気は、著名な映画 - メリー・ポピンズ Mary Poppins の「奇妙なパーソナリティ」に影響を受けているかも(笑)
  • 調性の選択 変ロ長調 B flat は、ラグタイム作品であるための重要な要素で カポを使って でも達成するミッションです。
  • 全体の構成には(お気づきのように) ラム Joseph F. Lamb の影響を大きく受けています。
  • とは言うものの、ギターの固有美を出す工夫は(色々)やってまして、そこここで多用する ハーモニクス も、その一つです。
  • 中間部の「トリオ」では、もう一つの「奇妙なパーソナリティ」が炸裂(?) - われわれ日本人にはお馴染みの のだめ 変態の森 です~ ぎゃぼ~ ; 冗談でなく 本当に意識してやってみた のですが、兎とかマングースが跳ねてませんかね?
  • ちなみに、その森には私独自の ロックの花 も植えてみたのですが...お気づき?(以下、一部事例);

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"夜想曲 Serenade"

  • そもそもの動機(発想)は ショパン Chopin ですが「別れの曲」の方です... そんなに素晴らしくは無いですが。
  • 実際に音楽的なイメージで借りてきたのは サウダーヂ Saudade - というブラジルに固有のフィーリングですが、コードスタイルとして(お気づきのように) ボサ・ノヴァ Bossa Nova を流用しています - と言いながら オルタネート・ベース をキープしている点で「ラグタイム・ギター」の面目を保った次第。

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この最後のリズム・パターンは、私自身からの ジョプリン Joplin へのトリビュート; シンプルながら、ギターで弾くのは意外と難しい指のパターンです... ;-)

ところで、以前からラグタイムについて「聴くだけよりも、弾いて愉しい音楽」ではないのか?と感じていまして... ということで、この小品については 全部収録したタブ譜 を "無料サンプル" として配布しようと思います (下記に、ZIPファイルをご用意)。

"アメリカのポロネーズ American Polonaise"

  • こちらの着想も(やはり) ショパン Chopin で、特に "英雄 Heroic" の影響から - もちろん比較できるレベルには到底及ばないですが...
  • 現実的には「偉大なポロネーズ作品」の壮大な雰囲気だけをお借りしまして、ギター曲としては汎用的な 3つのメジャーコード を使用して力強さを出してみました - しかし、第一楽節の中間展開には、少々換わった雰囲気を盛り込みまして;

pic.image of composition

楽譜のところがソレで「奇妙なマイナー和音」がお聴き頂けるかと... 作曲過程でイメージしたのは ジョプリンのオペラ「ツリーモニシャ」のフィナーレを飾る名曲 "A Real Slow Drag" のイントロで聴かれる「アジア風のテイスト」です。(あれも相当不思議なのですが?)

第二楽節では(お気づきのように)以下の要素をミックス; 1) 「英雄」の中間部の有名なピアノ(リフ) 2) 「ブギ・ウギ」ピアノに見られるベースパターン - という発想と結果が、この曲のタイトル "アメリカの" ポロネーズ のいわれです(笑)

抜粋ですが、弾いてみてくだサイ - 無国籍ギタリストだったら...(?)

前述しましたが、ラグタイムは「弾いて楽しむ音楽」からスタートしていると(時に)考えていまして... 最初の流行当時はレコードも普及してませんし。ということで、一部抜粋ながら「サンプル・パック」を 圧縮ファイル Zip-file でご用意しました。("夜想曲 Serenade" は簡単に弾けると思いますから、サービスでフル収録!)

pic.image of pdf

圧縮ファイル (270KB) は PDF アイコンをクリックしダウンロードしてから解凍し... 愉しんで弾いてくだサイ

組曲全曲を弾いてみたいという方は タブ譜 在りマス のページをお読み頂き ご連絡 くださいませ... ;-)

(日本語版)追補

  • 今回は(やっと)同質のカメラ2台で収録できました... と言っても、単なる iPod Touch ×2 (それも1台は何かのポイントで無料ゲット)で、しかもフロント側カメラで撮るから HD じゃないです~ なるべくお金をかけないというのが、最大のミッションでして。
  • 一曲目の録音に疲れてしまって、最後の曲は「1テイク」で力つきました~ なお、難易度的には一曲目が最も難しいです。
  • ちなみに「編集」にも相当時間がかかって - だいぶ慣れてきてますし、余り考えずにやりましたが - 全部で12時間くらいはやっていた気がします...
  • クラシックギターを使ったのは「一種の差別化」ですが、クラシックギタリストにはレアな手法を採用 - カポの使用、作成楽譜はタブ譜ですが音符部分は実音記載(だから、カポが無いと音符を見ても弾けません... たぶん)
  • なので「正統派 音楽家」の方が見ると “イラッとくる” 作品だと思います... のだめ では無いですが「制約」が嫌いなので(笑) しかし、そもそも、そのような人は見ない、という話もありますが~

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私自身のアレンジは初めて - "ラグタイム形式による 夢見る人"

はじめに - なぜチャレンジしたのか...

pic_image of Ragtime - Lecture Live

世界でもまれなラグタイムギタリストの最高峰 - 小樽在住の浜田隆史さんのご好意により、このたび名誉にも彼の名古屋ライブに、サポートとして参加させて頂く栄に恵まれました。
※2012年3月16日(金)です。名古屋今池の “源” にて

ラグタイム関係者(?)として考えましたのは、単に演奏するだけで無く「ラグタイムの世界」を紹介する(いわゆる) "レクチャー・コンサート" にしたい!というアイディアです - ギター演奏のみならず、ラグタイムの歴史や時代背景、音楽形式などをプレゼン風に紹介するプログラムを企画して... というのは、実は「たっての希望」でもあった訳なのですが!

プレゼンテーション講演の内容を検討するに当たって、ラグタイム最大の特徴である「シンコペーション」をどのようにお客さまに分かりやすく説明するか?というテーマを想定したのですが、実は過去にも同様の試みをしたことがあり、その時に演奏したのがこの「シンコペーションを含まないメロディ」が優美に流れる米国の著名作曲家 フォスター Stepen C. Foster の歌曲 『夢見る人 Beautiful Dreamer』 でした。そのことを思い返しながらも、そこで一つのアイディアを思いつき... 「当時は語りでシンコペーションとの違いを説明したけれども、この曲にシンコペーションを施して続けて演奏したら、差異がクッキリするのではないか... 加えて、ラグタイムというスタイルそのものの魅力的な性格をも伝えられるのでは... ?」 ということでトライを始めた訳ですが、その時にふと「ひょっとすると、当時の古のラグタイマー達も、こんな感じで色々な曲を自由にシンコペーションさせて楽しんでいたんじゃないのかなぁ」と感じたことも付け加えさせて頂きます... ;-)

信心深いラグタイマー FAITHFUL RAGTIMER として- どうやってトライしたのか...

excerpt sheet

図: 「ラグタイム - 講演演奏会」のプレゼン・シートから

この解説シートを先にお見せするのが手っ取り早いと思い... というのも、アレンジと演奏を通じてやりたかったことがここに書かれていますから... ;-)

偉大な作曲家であるフォスターが、黒人音楽のメロディーやメランコリーなムードを(搾取ではなく)愛情的な配慮を込めて自らの曲に取り上げたとされる点は彼の大きな功績である訳ですが、一方でネイティブなリズムの嗜好性はそのまま置き去りにされました... たぶん彼が親しんでいたクラシック音楽の「行儀の良さ」からは、いくぶんかけ離れた世界に映ったのかもしれません。ということで、今度は私が彼に成り代わって(?)、取り残されたものを付け加えたのですが、それに際しては、もう一人の偉大なアメリカの作曲家へもトリビュートを果たしたいと思いました - もちろん、スコット・ジョプリンなのですが。そして、ジョプリン様式とも言える彼の作品のポイントのいくつかを、講演会ではこのシートで解説したく考えた、という次第です。

なお、私自身もう10年以上演奏している中で多くを学び、そして今なお学ぶことの多い著名な作品である 『メープル・リーフ・ラグ』 を、今回の編曲においては特に参考にさせて頂いたことを、最後に付け加えさせて頂きます... ;-)

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